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内向(ないこう)
 馬がまっすぐ立っている状態を正肢勢といい、足先が内を向いているものを内向肢勢という。これを一般に「内向」と呼んでいる。逆に足先が外に向いているものを「外向」と言っている。
内国産馬(ないこくさんば)
 日本国内で生まれた馬ということで、クラシックレースやそのトライアル戦などでは必ず条件のひとつとして内国産サラブレッド系と記されている。日本で生まれても外国で種付けされたものは持ち込み馬(外国産馬と同じ扱いの時期もあった)というが、昭和59年からは内国産馬の扱いをうけることとなった。また、とくに内国産と記されていないレースでもマル混レース以外には、外国産馬は出走できないことになっている。
ナイラ
 腺疫といわれる伝染病で、若馬がかかりやすく、ほとんどすべての馬がかかるといってよいくらいの病気。病原は腺疫菌という化膿菌で、リンパ腺を化膿させることが特徴となっている。冬季から初春頃に多発する病気で、軽いものは1〜2週間で治るが、悪性のものになると種々の病気を併発して死に至ることもある。馬の風邪といわれている病気で、抗生物質の投与などで治療されるため軽くすむことが多い。
流し買い
 ある1頭の馬、あるいは枠を中心に、そこから他の馬(枠)に馬券を買う方法で、例えば1番の馬からなら1−2、1−3、1−4……という買い方をいう。また中心にした馬(枠)から全部の馬(枠)に流し買いをするとき、“総流し”と言っている。「穴馬を見つけたら流せ」という格言もあり、大穴馬券をとる秘訣のひとつともいえる。
夏負け(なつまけ)
 馬は暑さに弱い動物で、そのため気温の上がる夏に起こる一種の病気である。症状は顔面とくに眼の周囲、鼻梁側の部分の毛がはげて、つやつやと光って汗が出なくなり、少し運動をすると呼吸を弾ませるため軽い運動しか出来なくなる。牡馬の場合ひどい時には“夏キン”といって睾丸が大きくふくれあがる。治療として決定的に有効な方法はなく、休養させて涼しくなるまで待つことが必要とされている。
鉛(なまり)
 鉛板によって騎手は負担重量を調整するが、この鉛板のことを“鉛”といっている。鉛板は普通一枚0.2`とされている。これを特別の胴巻き(ナマリバンド)に入れて騎手自身の胴に固定する。負担重量の多いときは鉛の縫い込んであるチョッキを着けることもある。
並足(なみあし)
 常歩(じょうほ)といわれるもので、普通に歩いている時の歩様。パドック(下見所)でぐるぐる回るときや、パドックから馬場に出るときまでの、あのぽっくりぽっくりという感じの緩やかな歩き方である。


逃げ馬(にげうま)
 スタートダッシュがよく逃げて勝負をする馬。前半から速いペースで行くことが多く短距離戦を得意とするタイプが多い。しかし、「長距離の逃げ馬」という格言もあり、スタミナを温存しながら、平均ペースで逃げて勝負するという馬もいる。逃げて勝つことを“逃げ切り”といい、2着にはいることを“逃げ粘る”という。穴狙いは「人気薄の逃げ馬」ともいわれるように、マイペースで逃げると予想以上の力を出すものだ。
二走ボケ
 休み明け(故障や休養などでレースを遠去かっている馬がレースに出ること)で好走した馬が、次のレースで凡走すること。久々のレースを叩いたことで良化してくるはずなのに成績が上がらないことで、気のいい馬などは緒戦から目一杯走ってしまい、目に見えない疲労が残っていたりするためと思われる。使った後の攻め馬も良いし、気合も乗っていたのにということが多く、その敗因がはっきりしないことから“二走ボケ”の言葉が生まれた。
入厩(にゅうきゅう)
馴致を済ませた2歳馬や3歳馬が育成牧場からトレセン、または競馬場の厩舎にはいること。
ここでレースに出走するための調教が施され、競走馬としてデビューする。
入着馬(にゅうちゃくば)
 本賞金といわれている5着までの賞金を獲得する馬のこと。しかし、成績の上では普通1〜3着までを入着と見なし4着以下は着外という扱いをしていることが多い。本誌成績欄も4着以下は着外としている。
二人曳き(ににんびき)
 下見所(パドック)で馬を曳く時、一人で曳いていることが多いが、二人の厩務員によって曳いている馬のことをいう。気性の激しい馬やイレ込みのきつい馬など馬が暴れたりしないように左右について二人で曳く。また気合の乗っている時なども用心のため二人で曳くこともあり、二人曳きは気性の荒い馬とは決めつけられない。
二の脚(にのあし)
 いったん一杯になった脚勢から追われているうちにもう一度伸び脚を見せることがある。これを「二の脚を使う」という。またスタート直後ダッシュがつかない馬が追われて一気に行くことも「二の脚が速い」とか「二の脚を使って」という言葉で表される。
庭先取り引き(にわさきとりひき)
 馬の取り引きは“セリ取り引き”と“庭先取り引き”に大別されるが、セリ取り引きは公開のセリ市場で売買されるため、購買価格が第三者にもはっきり分かるようになっている。対する庭先取り引きは、個人的交渉で価格を決めて取り引きするため、第三者にはその内容が分からないことが多い。日本では現在もサラブレッドの大半は庭先取り引きで売買されている。


主取り(ぬしとり)
 セリ取り引きにおいて出場した馬に買い手がつかなかったり、また価格が生産者(売り主)の希望に満たないとき、生産者が値段をつけて引き取っていくことをいう。1歳馬のセリなどを見てもここ数年の売却率は30パーセントにも満たず、かなりの主取りが出ている。


ねそこない
 馬が夜間寝るときに寝わらのかたまったところや、馬房壁の近くなどで寝た場合、不自然な格好になり、肩や腰、その他に故障が起きることがある。このようなとき「ねそこないして…」といわれる。人が枕をはずして寝たとき首筋を痛めることがあるが、それと同じで人間の寝違いと思えばよい。
年度代表馬(ねんどだいひょうば)
 その年度に活躍した馬で、報道関係者の投票をもとに、実行委員により決定される。日本中央競馬会の主催により、各部門(2歳牡馬、2歳牝馬、3歳牡馬、3歳牝馬、4歳以上牡馬、4歳以上牝馬、父内国産馬、スプリンター、ダートホース、障害馬)の最優秀馬の中から選ばれる。


能力検定(のうりょくけんてい)
 中央競馬では行われていないが、地方競馬ではデビュー前や一定の期間競走を離れていた馬、他地区からの転入馬などに対し、能力検定(試験)が行われている。決められた距離をゲートから走らせ決められたタイム内で走破できない馬はレースには出られない。
ノミヤ
 私設馬券屋のこと。競馬法では勝ち馬投票類似の行為を業として、勝ち馬投票券の購入の委託を受け、または財産上の利益を図る目的をもって、不特定者から勝ち馬投票券購入の委託を受けた違反者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。ファンもこれを利用した者は罰せられるので注意したい。
のどなり
 喘鳴症(ぜんめいしょう)の項参照。
のめる
 重馬場や不良馬場で、上っ滑りするような馬場状態において、馬が滑ることをいう。一度のめることを経験してしまうと、馬自身が用心して思い切り脚を伸ばして走らなくなることもあるし、レース中にのめることによって走る気をなくすこともある。
乗り運動(のりうんどう)
 馬のトレーニングには追い運動といわれる調教(馬場や坂路などで走らせる)、乗り運動、曳き運動などに分けられる。乗り運動は調教の前や午後に全休日(月曜)を除く毎日、健康な馬なら行っている。筋肉をほぐすことで調教への予備運動になるし、また歩様をチェックすることで馬の健康状態などもわかることが多く大事な運動である。乗り運動は一回30分〜1時間ぐらいトレセン内の馬道や角馬場などで行われている。
乗り込む(のりこむ)
 「中間順調に乗り込んで…」などと使われるように調教を十分に積むことをいう。丹念に調教課程をこなし(急仕上げにならないように)、仕上げていくことを指す場合が多く、休み明けや初出走の馬の状態を判断するとき、乗り込んでいるかどうかがポイントとなる。また“長目を乗り込む”という言葉もあるが、これは調教においてキャンターを長目に踏む(距離を長く乗る)ことをいい、実戦に行って息が保つように鍛えることである。
乗り役(のりやく)
 「作戦は乗り役さんに任せます」などと使われるように騎手のこと。“やね”ともいう。騎手が替わることを一般に“乗り替わり”というが、“手替わり”“やねが替わる”ともいう。またその馬に初めて騎乗することを“テン乗り”といっている。

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